独り善がりの人生

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ステラ女学院高等科C3部とグランツーリスモを見た

ステラ女学院高等科C3部を見た

 フォロワーがステラ女学院高等科C3部放送から10周年ということで、視聴会を開いたためお邪魔した。結論としては、とても良かった。内容としては、中学まで友達ができず内気な少女である主人公大和ゆらが、お嬢様学校のサバゲー部(C3部)に入部しサバゲーをする話。
 話だけ書くと一見「おじさんの趣味を女子高生が行うゆるふわ作品」に思えるが、全話通して見るとその認識は良い意味で誤っていたと思い知らされる。主人公の大和ゆらが自らの居場所を作るために必死になるが、空回りしてしまい、C3部員も彼女を助けることができない(しようとしない)というリアルでつらい人間模様を描いている。エンディング曲でコマンド!コントロール!コミュニケーション!と言っているものの、実はコミュニケーションが取れていない。
※以下ネタバレ注意。

 ゆらは徐々にサバゲーが上達していき、対戦相手をヒットしC3部の面々から褒められるようになる。彼女は勝つことで自分の居場所を得られると思ったからか、勝つことに拘り周りが見えなくなる。大きなサバゲー大会(24時間サバゲー!)に出場するつもりのC3部だったが、そのらが謎の違法改造エアガン使いに襲われ入院、ゆらがC3部のリーダーとなり勝つために厳しい訓練を部員に課し裏で部員に陰口を言われ…と不穏な方向に話が加速していく。大会後は自分の力を示し居場所を得るためC3部を離れライバル校の明星女学園のサバゲー部に入るが、結局追い出され居場所をなくし…と怒涛の展開が待ち受けている。

  同じ陰キャを主人公にした有名作品だと「ぼっち・ざ・ろっく!」があり、ぼっちの思考や行動をギャクへ昇華し結束バンドやSTARRYの面々が良い人、ピンチもぼっちの機転で切り抜けているので、ある意味安心して見られるが、ステラ学院高等科C3部はうまくいかない、しかし人間ってそうだよねと思わせる描写が多い。
 大和ゆらの居場所を欲する気持ちと居場所を失うのではないかという恐れは私にとっても他人事ではなく、さらにC3部部長そのらのスカした顔して実はゆらと向き合っていない、人任せなところ(しかもそのことをゆら本人直接言わずライバル校 明星女学園の凛に言っている)も妙にリアルに感じた。仕事でも、そのらのような先輩はいたし、自分もそのらな部分がある気がする。
 ゆらは時折幻想を見る、幻想に逃げ込むという設定があるが、丁次郎という源平合戦で敗れた弓使いの幻想が物語の転機となるきっかけに度々なる。彼は「幻想に逃げ込むのではなく現実を幻想と同じにするんだ。自分を認め、他人を認めれば世界の全ては自分の居場所」と語っており、特に後半の「自分を認め~」のくだりは自己肯定感の低い私にとってとても印象的だった。
 放映当時は叩かれている書き込みが多くそのイメージもあったが、いざ見ると居場所を作れない人間に対し誠実な作品だと思った。C3部は途中まで重苦しい雰囲気になるが、しかしそれらを乗り越える11話、12話を見るとカタルシスを感じることができる。
 この機会を設けてくれたフォロワー、ありがとうございます。

「もうアニメ業界では作れないと思った」「帰り道で毎日吐いてた」 放送から5年、「ステラC3部」の監督はいかにして復活を果たしたのか(1/3 ページ) - ねとらぼ

 

グランツーリスモを見た

 見た感想としては脚色は多いがスポ根、師弟もの、車ものとして楽しめた。新宿バルト9のドルビーシネマで鑑賞したが、様々な方向から音が聞こえるため、車内や通り過ぎる車のエンジン音に臨場感があった。
 個人的にはモータースポーツに詳しくない人が一番楽しめると思っているし、そういった人にオススメだと考えている。逆にモータースポーツのオタクはあれやこれやとツッコミを入れる部分が多く素直に薦めづらい。私も「ここは実際は違うよな~ これは流石にやったらペナルティでしょ」と思ったりしたが、人間がメインの作品と思っているので、あれこれ言うのも野暮な気はする。Twitterであれがなっていない、これはなっていないとキレているモータースポーツのオタクを見かけたが、十中八九そういったオタク向けではない。
 内容としてはレーサーに憧れグランツーリスモをプレイする主人公のヤンが、グランツーリスモのレーサー育成プログラム(GTアカデミー)を通じてレーサーを目指す話。初めて映画化と聞いた時は、あのレースゲームをどう映画化するんだと思ったが、GTアカデミーを題材にすると知り、なるほどと思った。元々主人公のヤン・マーデンボローグランツーリスモを通じてレーサーになっていることや、彼が日本のSUPER GTやスーパーフォーミュラでレースに出場していたことも知っていた。丁度SUPER GTに出場していた頃は所属していた日産が不調だったこともあり不運にもシートを失ってしまい、今は新たなシート獲得を目指しているらしい。
 実際モータースポーツは幼少期からカートに乗ってレースに出られるような家庭環境・資金力がなければトップカテゴリーを目指すことは難しい。かつては峠の走り屋出身のレーサーもいたが、それは過去の話。そういったことを考えるとグランツーリスモはチャンスのなかったドライバーにとって一つの希望になっていたのかもしれない。特にレーシングシミュレーターは他のゲームと比べて現実に活かしやすいジャンルの一つだろう。
 私は最後にやったグランツーリスモが4で終わっているので、この映画を機にPS5とグランツーリスモ7…………ではなくゲーミングPCとトリプルモニターと椅子とダイレクトドライブのハンコンとペダルとシフターを買って、Assetto CorsaとAssetto Corsa CompetizioneとiRacingとEuro Truck Simulator2をやりたい!!!!

 

 

おわり